◎ 納付すべき消費税額の計算
「通常(原則)課税」による方法・「簡易課税」による方法の2通りがあります
★ <課税事業者に該当するかどうかの判定> 法人の場合は前々事業年度 (個人の場合は 2年前) の課税売上高が1000万円を超えるかどうかにより判定します (平成23年度改正あり) 尚、消費税の計算方法には次の2通りがあります。 |
− 消費税の課税標準は、原則として個人毎 ・ 法人毎の <売上高> です − |
● 消費税の課税事業者(簡易課税を選択していない事業者。以下「通常課税」という)は、課税期間における課税売上に係る消費税額から、課税仕入れ等に係る消費税額を控除した金額を納付します。 |
◆ 「通常課税」 による納付すべき消費税額の計算 |
納付すべき 消費税額 | = | 「課税売上」に 係る消費税額 | − | 「課税仕入れ等」に 係る消費税額 |
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★ <通常課税> の場合は、個々の取引について課税・非課税・不課税の 判断をし 上記 「課税売上」 「課税仕入れ等」 を求めます。 |
★ <通常課税> の場合で、免税事業者 ⇔ 課税事業者になった場合には 課税仕入れ等に係る消費税額の調整が必要です。 |
★ 非課税売上等があり、<課税売上割合> が95%未満になった場合に
は、課税仕入れ等に係る消費税額の全部は控除できません。 |
(平成23年度改正あり 95%ルールの改正 (→)) |
◆ 通常(原則)課税の場合の注意点 ◆ |
● 簡易課税を選択した課税事業者は、上記 通常課税の場合の計算式で、実際の課税仕入れ等に係る消費税額に代えて、事業(取引)毎に法定された”仕入率” (以下「みなし仕入率」という) を用いて計算します。 |
◆ 「簡易課税」 による納付すべき消費税額の計算 |
納付すべき 消費税額 | = | 課税売上に 係る消費税額 | − | (課税売上×みなし仕入率) による消費税額 |
⇒ | 上記、計算式を課税売上を頭に出し( )でくくると |
= | 課税売上 | × | (1−みなし仕入率) | × | 消費税率 |
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★ <簡易課税制度の選択> 適用しようとする事業年度開始の日の前日まで に『簡易課税制度選択届出書』を所轄税務署長に提出しなければならない。
★ 尚、この簡易課税制度を選択した場合は、2年間は取り止めることが できないので注意が必要です。 |
● 事業の区分 及び みなし仕入率 |
※平成9年4月1日以後開始する課税期間から適用 (第五種が増えました) |
区 分 | 該当する事業の内容 | みなし仕入率 |
第一種事業 (卸売業) | 他の者から購入した商品を、その性質及び形状を変更 しないで、他の事業者に対して販売する事業 | 90% |
第二種事業 (小売業) | 他の者から購入した商品を、その性質及び形状を変更 しないで販売する事業で第一種事業以外のもの | 80% |
第三種事業 (製造 業等) | 農業、林業、漁業、鉱業、建設業、製造業(製造小売 業を含む。)、電気業、ガス業、熱供給業及び水道業をいい、第一種事業 又は 第二種事業に該当するもの及び 加工賃その他これらに類する料金を対価とする役務の提供を行う事業(※)を除く
| 70% |
第四種事業 (その他) | 第一種事業、第二種事業、第三種事業及び第五種事業 以外の事業をいう ≪加工賃(※)、飲食店業、保険業、貸金業≫≪資産の譲渡等≫ | 60% |
第五種事業 (サービス業等) | 不動産業、運輸通信業、サービス業 (飲食店業に該当するものを除く) | 50% |
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上記は、「日本標準産業分類」 によっており平成16年10月から改訂後で適用されます |
いわゆる製造問屋 (卸売業を営む事業者) が行う事業は、卸売業に該当しません |
(注) 2種類以上の事業を営む事業者が上記の区分を行っていない場合には、区分していな い課税売上については、その事業者が営んでいる事業のうち最も低い事業のみなし仕入率 を適用して仕入税額控除を計算することとされています (消令 57C) |
● 歯科技工の簡易課税における業種区分は、サービス業 (第5種事業) とされました |
◆ 簡易課税の場合の注意点 (事業区分) ◆ |
上記、<取引の業種区分の判断> のみならず、 |
<相殺取引があった場合> の課税売上高に注意 |
◆ 原則課税 と 簡易課税 どちらが得?(有利?)(→) |
◆ 値引き ・ 貸倒れがあった場合の税額控除は? (→) |
◆ 消費税法上、みなし譲渡- 課税される場合は? (→) |
◆ H16年改正消費税へ (→) ◆ H23年改正消費税へ (→) |
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「簡易課税」による計算は”文字通りの簡易”ではありません。課税売上の個々の取引毎に、その取引が
どの事業区分に該当するのかの判断を必要とし、その判断で納付すべき消費税額が異なってきます。
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